1973 年 2 巻 1 号 p. 33-36
ドウガネの幼虫の簡便な飼育法を考案するため、豆乳・寒天・ショ糖を餌とした人工飼料による飼育と、各種の広葉樹の葉を餌として普通飼育を行ない、幼虫の生長速度と死亡率を比較した。
(1) 人工飼料による飼育の幼虫は普通飼育の場合のそれにほぼ匹敵する生長速度を示し、人工飼料による飼育は可能と思われる。
(2) 成虫の食餌植物であるコナラ、カキ、クリ、フジ、ブドウ、サクラ、の葉を用いて幼虫の飼育を行なったが、飼育はいずれも可能であった。
(3) コナラ、カキ、クリの場合の生長速度は大きかったが、サクラではやゝ劣った。
(4) 飼育期間中における死亡率を比較すれば、サクラ、フジ、カキの場合の死亡率は少なく、コナラ、クリの場合は高かった。普通飼育の餌としては、カキの葉が適当と考えられる。