芝草研究
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シマジン, プロピザミド, ペンディメタリンおよびアシュラムの除草活性と芝生地における消失
金 錫井小笠原 勝米山 弘一竹内 安智近内 誠登竹松 哲夫
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1992 年 20 巻 2 号 p. 183-188

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抄録
1.シマジン, プロピザミド, ペンディメタリンおよびアシュラムの除草活性
スズメノカタビラおよびメヒシバに対するシマジン, プロピザミド, およびアシュラムの除草活性は, 土壌水分の高い滅菌土壌で高かった。一方, ペンディメタリンの活性は, 土壌水分の低い滅菌土壌で高かった。このことから, 除草活性に及ぼす土壌水分の影響は除草剤によって異なるが, いずれの除草剤においても滅菌土壌で高い活性を示すことから, 土壌中におけるこれらの除草剤の分解過程には, 主に土壌微生物が関与していることが示唆された。
2.芝生地におけるシマジン, プロピザミド, ペンディメタリンおよびアシュラムの残存量
シマジン, プロピザミドおよびペンディメタリンの芝生地における土壌中の残存量は, 春から初夏にかけて処理した場合には比較的速やかに減少した。しかし, 秋期に処理した場合には, 処理5ヵ月後においても処理薬量の5~25%が残存した。一方, アシュラムは, いずれの時期に処理した場合にも, 処理2週間後には殆ど検出されず, 土壌中では速やかに分解, 消失することが明らかになった。
このように, シマジン, プロピザミド, ペンディメタリンの土壌中における残存期間は処理時期により異なるが, アシュラムの残存期間は処理時期に関係なく比較的短いことが判明した。これらの除草剤の芝生地の土壌中における残存期間は, 除草剤の物性だけではなく, 土壌微生物の生育に影響を及ぼす気温, 降雨量や, 光分解に影響を及ぼす日射量などの気象条件により変動しうるものと考えられる。
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© 日本芝草学会
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