芝草研究
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シマジン, ペンディメタリンおよびアシュラムの傾斜芝生地からの流出に関する研究
金 錫井丹後 文孝竹内 安智小笠原 勝米山 弘一近内 誠登竹松 哲夫
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1993 年 21 巻 2 号 p. 183-194

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抄録

人工的に作製した傾斜した裸地と芝生地に秋と春にシマジン, ペンディメタリンおよびアシュラムを散布し, 一定時間後人工降雨を与えた。その傾斜地から流出した土壌と水量を測定し, それらの含まれる除草剤の濃度を定量した。
傾斜地における降雨後の水の流出は裸地では多かったが, 芝生地では少くなく, 特に刈り高が高い場合には著しく少なかった。また, 土壌の流出は裸地で多く見られ, 芝生地ではほとんど見られなかった。
シマジン, ペンディメタリンおよびアシュラムを傾斜角度が15度の裸地と芝生地に散布した。6-72時間後に80mm/hrの人工降雨を与え, 流出した水と土壌を採取し, それらに含まれる除草剤を定量した。除草剤の流出は裸地, 芝生地とも散布後6時間後に降雨があった場合多く, その後時間の経過に伴い減少した。裸地において流出量が大きかったものはシマジンで, これに次いでペンディメタリン, アシュラムであった。アシュラムは主として水とともに流出したが, 土壌の流出にも伴って流出した。シマジンは主として土壌と, 一部は水に伴い流出した。ペンディメタリンの場合はほとんどが土壌に伴って流出した。一方, 芝生地においては土壌の流出がなく, いずれの薬剤も水に伴い流出した。流出量が大きかったのは2cm刈り高区ではアシュラムで, これに次いてシマジンであり, ペンディメタリンは極めて少なかった。5cm刈り高区の流出量はシマジンとアシュラムではそれぞれ0.3%, 0.13%以下と少なく, ペンディメタリンは検出限界以下であった。流出水中の除草剤の濃度はシマジンでは水の流出に伴い徐々に流出しており, アシュラムは水の流出直後に多く, 流出時間とともに急激に減少したが, ペンディメタリンでは水の流出初期に高いが, いずれも極めて低い濃度であった。
傾斜角度が30度の芝生地と裸地に水和剤またはフロアブル剤のシマジン200g (10a) を200Lと400L (10a) の水量で散布した。6時間後に40mm/hrの人工降雨を与え, 流出した水と土壌を採取し, それらに含まれるシマジンを定量した。シマジンの流出量は裸地で多く, その場合フロアブル剤, 水和剤の製剤による差はほとんどなかった。一方芝生地では流出量は少なかったが, 水和剤よりもフロアブル剤の方が極くわずかに多かった。しかし, 芝草の刈り高が高い場合には製剤の違いによる流出量の差は小さかった。また, 散布水量の多少によるシマジンの流出量の差もほとんど見られなかった。

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