抄録
ペレニアルライグラスの種子からAcremoniumエンドファイト (EP) の簡易検出法の開発を行った。2日間吸水させたペレニアルライグラスの種子をニトロセルロース膜 (NCM) 上で万力を用いて潰すことにより、種子の汁液をNCMに付着させ (Vise blotting ELISA (VBE) 法) 、検出を行ったところ、顕微鏡観察による方法と同様にEPを検出できた。VBE法で種子の汁液を付着させたNCMは反応の程度や検出率の変化なしに郵送あるいはデシケータ内で3ヵ月間保存が可能だった。27品種のペレニアルライグラスを用いてVBE法で調べたEPの感染率と、それらにおけるシバツトガの食害率との間には高い負の相関 (r=-0.94) が認められ、VBE法の結果がシバツトガに対する抵抗性の指標となると考えられた。