芝草研究
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暖地型芝草及び芝生雑草の施肥反応性
浅野 義人市川 泰子
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2000 年 28 巻 2 号 p. 103-111

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抄録

芝生の適正施肥管理による雑草制御のための基礎的知見を得ることを目的に, 暖地型芝草6種, 芝生雑草12種についてポットで施肥試験を行い, それぞれの施肥反応性を比較した。施肥量と植物の生長量との関係は逆二次関数による回帰が適合した。各々の回帰曲線から“少肥反応性” (最大生長量1/2の生長量を与える施肥量/最大生長量を与える施肥量) を算出して, 最大生長量を与える施肥量との関係をプロットした。その結果, 芝草類は雑草類より少肥反応性が高く, 肥料要求性は低いことが認められた。雑草類は, 両者の関係からグループI, グループII〈ハルジオン, カタバミ型〉, グループIII〈メヒシバ, スズメノカタビラ型〉に分けられた。芝草を含めた4グループの生育パターンモデルの比較より, 暖地型芝草は生育パターン上, 少肥水準において雑草類より有利になる傾向が認められた。また少肥水準において, 芝草類のT/R率は雑草類より明らかに大きく, この面からも少肥管理の方が雑草の抑制に好ましいと考えられた。

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