芝草研究
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校庭における芝生の状態と土壌の理化学性の関係
―千葉県北東部の小中学校の事例―
浅野 義人広江 健五
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2003 年 32 巻 1 号 p. 18-21

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抄録
千葉県北東部地域の校庭が芝生化されている小・中学校を対象に, 土壌条件と芝生の状態の関係をみることにより, 校庭の芝生化に適する土壌条件を明らかにすることを目的に調査を行った。用いられている草種は, ノシバ, コウライシバ, バミューダグラス“テイフトン”の単植あるいは2種の混植であった。内陸部の学校 (黒ボク台地に立地) の土壌は, 沿岸部の学校 (沖積低地に立地) の土壌に比べ, 粒径組成において「シルト・粘土」の割合が高く, これに伴って有機物含有量が高い傾向が認められた。内陸部の学校は, 沿岸部の学校に比べ雑草の被度は比較的高いが, 裸地化はみられなかった。仮に校庭芝生のあり方として, 裸地化の防止を優先とし, ある程度の雑草の混生が許容されるとした場合, そのような校庭土壌の「シルト・粘土」含有率は25~40%程度であり, 有機物含有量2~5%程度, pH6~7程度, 透水係数0.1~1.5×10-3cm/s程度であった。
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