シバ黄化葉ならびにショウブ黄化葉について, 水耕および薬剤散布試験を行った結果, 次のことが明らかとなった。
1シバ黄化葉はSNK酵素によって容易に回復するが, FePO4およびMgSO4では回復しない。一方, シバ黄化葉は微量要素を加えたKnop液によっては回復しないが, シバ黄化葉に極めて類似しているショウブ黄化葉は微量要素を加えたKnop液によって容易に回復する。
2シバ黄化葉に有効なSNK酵素の稀釈限界濃度は5, 000から10, 000倍の間にあり, 30cm2当りの有効な散布量の限界は500から250mlの間にある。
3シバ黄化葉はショウブ黄化葉のように無機成分の欠乏によって現われる病徴ではなくて, シバ体内の生活過程における何らかの有機成分の欠乏かまたはその機能障害によって引きおこされるものと考えられる。