抄録
本試験はコウラィシバに生ずる葉枯れの病斑から分離される病原菌の2, 3の菌について接種試験を行い発病状況を観察したものである。
(1) 分離された病原菌はHelminthosporium spp.が最も多く, 次いでCuruularia spp., Nigyospora spp.の順であった。この他に若干Phoma spp., Mucor spp., Fusarium spp., Penicillium spp.などが分離された。
(2) 分離された菌のうち, Helminthosporium sp., Curvularia sp.およびNigrospora sp.を芝に接種した結果, その病原性はHelminthosporium sp.が最も強く, 次いでCurvularia sp.であり, Nigrospora sp.は非常に弱かった。
(3) Helminthosporium sp.にCurvularia sp.またはNigrospora sp.を混合し接種した場合, Helminthospoyium sp.単独接種よりもNigrospora sp.を混合した場合にやや病原性は低下し, Curvulari asp.混合ではさらに低下した。
(4) あらかじめHelminthosporium sp.を接種, 発病させたものにCurvularia sp.またはNigrospora sp.を接種した場合にはHelminthosporium sp.の病斑形成に影響は認められなかった。