プログラミングには,「手順を最適化する際の発想としての創造性」と「実現したい自分の意図を考える際の発想としての創造性」があると言われる。そこで,本研究では,この2つ創造性を育む幼児のプログラミング活動の内容と展開を構想する手順と留意点を明らかにすることをねらいとした。研究手法としては,まず,辻田嘉邦が,子どもの遊びの過程を手がかりに考案した,「造形活動の側面(メディア・コード・イメージ)」で構成される「学習主題(材料の活用・想の拡充・行為の展開)」の設定の手順に着目した。そして,この設定の手順を参照にした5歳児のロボットを用いた2種の造形活動を構想・実践し,その事例で発揮された幼児の創造性の種類を分析した。すると,「イメージ」を起点とした「想の拡充」を主題とした造形活動が,「幼児の意図」を大切にした創造性を発揮させると共に,論理的思考を高めることを見いだせた。