2021 年 53 巻 1 号 p. 9-16
社会へ対応できる資質・能力の育成する教育が求められている現在,教科に閉じた学びではなく社会で汎用的に活用できる能力の育成が目指される。そこで本研究では次の2点を目的として質問紙調査を行った。1点目は小・中学生がどの程度図画工作・美術科と他教科との繋がりを感じ,どのような点に繋がりを見出しているのかを明らかにすることである(調査1)。2点目は日常生活の中で,図画工作・美術科の学習内容がどのように生かされていると感じているかを明らかにすることである(調査2)。調査は,小学校4年生~6年生,中学校1年生~3年生を対象に行い回答を分析した。その結果,図画工作科・美術科と他教科との繋がりを十分感じられているとは言い難い結果となった。また,授業内で学んだことが日常生活に活用されているとは言い難い状況も明らかになり,子供と社会の関係について改めて考える必要性が導き出された。