2020 年 12 巻 p. 5-16
少子・超高齢化社会における地域活性化の一助となることを企図し,音楽を伴ったお手玉遊びによる幼児と高齢者の交流プログラムを試行した。実施後に保育者及び高齢者の会のサポーター各2 名を対象とした半構造化インタビューを行い,Steps for Coding and Theorization (SCAT) を用いて分析した結果,次の点から本プログラムの有効性が示唆された。①幼児と高齢者の協同活動によって,両者とも自己肯定感が高まった。②お手玉遊びは他者とのふれあいを促し,参加者の発達や身体状況に適した難易度の活動を設定しやすい。③音楽・歌を伴うことで楽しさが高まり,拍・リズムに合わせることで協同活動がしやすくなる。
今後,交流プログラムとして実施する際には,①参加者に適した活動の設定が重要であり②お手玉に慣れるための予備的な活動を行っておくことが望ましい。また,活動後も子どもがお手玉で遊ぶためには,お手玉の安全・衛生管理への留意と,お手玉製作に関わる支援が必要である。