2022 年 14 巻 p. 37-43
本研究は,2020 年より続くコロナ禍において様々な活動に大きな制限を受ける大学生を対象として,質問紙法を用いてコロナ禍がエネルギー消費量ならびに生活習慣に与える影響を明らかにすることを目的とした。204 名の大学生が調査の対象となった。身体活動調査票から算出された 1 日のエネルギー消費量は,コロナ禍前の 2020 年 1 月は対象者全体で 2067.2kcal であったが,緊急事態宣言中の同 4-5 月では, 1833.5kcal に有意に低下した(p<0.001)。またアンケート調査より,間食やスクリーンタイムの増加,睡眠の夜型化など様々な生活習慣ならびに心理的ストレスも大きく影響を受けたことが確認された。また,これらの変化は宣言解除後の 8-9 月においても宣言前の状態に完全に戻ることなく継続される傾向が認められた。健康的な大学生活を送り,生活習慣病を予防するために,様々な行動制限下においても身体活動量ならびに規則正しい生活習慣を維持することが必要かつ重要であると考えられた。