植草学園大学研究紀要
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植草学園大学研究紀要
自己価値の随伴性が動機づけ調整方略と学習行動に及ぼす影響
金子 功一
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2023 年 15 巻 p. 5-12

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抄録

本研究では,大学生368名(男性:99名;女性:269名)を対象に,自己価値の随伴性(外的な物事や何らかの基準に依存(随伴)している状態で価値観が揺れ動くこと)の3領域「優越感」,「他者評価」,「独自性」,動機づけ調整方略,学習行動の「学習の取り組み」に関するオンライン調査を行った。その結果,自己価値の随伴性の「他者評価」や「独自性」は,動機づけ調整方略の「自律的調整方略」を媒介し,学習行動の「学習の取り組み」に有意な正の影響を及ぼしていることが示された。また,自己価値の随伴性の「他者評価」は,直接,動機づけ調整方略の「協同方略」に有意な正の影響を及ぼしていることが示された。学習内容に興味を抱いたり,学習自体に価値づけたりするなどの自律的な動機づけ調整方略を用いている学生のうち,他者からの評価という外的な事象に自己価値を随伴させる傾向が高い学生は,学習に対する動機づけが高いことが示唆された。

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