生活経済学会は、「生活者」の視点からの学際的な「生活」研究を特色とする社会科学系・経済学領域の学会である。「家政学」、「経済学」、「社会政策学」の三つの流れを中心に体系化を進め応用経済学の一分野としてのみならず、学術的シナジー効果(相乗効果)により学際的ウェイトの大きな中核的学術領域を目指し活動を続けてきた。
「人、もの、貨幣、自然の経済循環」を見直し、アフターコロナのライフスタイルや持続可能な経済社会の創造に寄与すること、並びに生活者やコミュニティをエンパワメントし持続可能な生活の創造に向け研究成果を生涯学習・教育として提示し社会貢献することを学会のミッションと捉え取り組んでいる。
本稿においては生活経済学会第19期三役、上村協子(会長)宮村健一郎(副会長)家森信善(副会長)の3名により、生活経済学会において蓄積してきた研究活動の一端を提示したい。まず上村協子が「生活者」に注目した生活経済学について、続いて宮村健一郎がSDGs17の目標と生活経済学会研究大会共通論題について、家森信善が金融経済教育の研究について、それぞれ報告する。