21世紀における持続可能な経済社会の創造に向けて
Online ISSN : 2436-7028
21世紀における経営行動研究の課題と領域
菊池 敏夫
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2021 年 1 巻 2 号 p. 9-16

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抄録

本論文は「21世紀における経営行動研究の課題と領域」をテーマとして、五つの章(Ⅰ~Ⅴ)で構成されており、以下に各章の主内容を述べることとする。Ⅰはじめにでは21世紀における経営行動研究の課題としては数多くの課題が想定されるが、ここでは三つの課題に限定し論述することおよび三つのテーマの概要を述べている。Ⅱにおいては三つのテーマの一つである「企業の社会的課題への対応の研究」をとりあげている。従業員の長時間労働、過労死、ジェンダーなどへの対応に加えて、気候変動への対応など、企業は社会的課題への対応にせまられており、社会的課題解決の問題は経営行動研究学会の設立当初からの問題であったことなどに言及している。Ⅲにおいては、第二のテーマである「企業統治改革の研究」をとりあげる。企業統治の問題は会計不正の防止を主眼として制度化されているが、このシステムによって品質管理の不正、検査不正の問題や気候変動の問題に対応できるのかが問われており、解決のための提言がなされている。Ⅳでは第三のテーマである「経営行動の国際比較の研究」をとりあげ国際比較研究の視点、および経営行動研究学会が主催してきた国際シンポジウムの実績と意義に言及している。Ⅴの課題と展望では、21世紀の研究課題が次々に生起してくること、この傾向に対して、研究者の理論、思想の研究の必要性と研究の態度を論述し、結語としている。

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