本研究は,広域中心都市である広島市中心部の都心業務地域における1990 年代初頭以降20 年間の空間変容について検討した.小規模人員オフィスの撤退や大規模人員オフィスの縮小統合が進み,出先機関オフィスの減少がみられた.新規大型ビルが都心地区に建設され,オフィスの集約的移転が行われた.中心部でビルを多数保有していた大手金融機関の不動産売却によってオフィス供給の地元資本へのシフトが進んだ.上場不動産投資信託(REIT)は築年数の浅い大型ビル,もしくは立地条件の良いビルに限られており,市外資本によるビルの選別が行われた.