本研究の目的は,近代以降の都市化・開発地域の時間的・空間的展開を詳細に描き出し,さらに開発時期を指標とした地域類型を作成し,その利用可能性を探ることである.愛知県知多半島を事例に,旧版地形図とGIS を用いて,50m 間隔のポイントデータそのものに開発時期を属性として割り当て,それをもとに詳細な地図化と地域類型化をおこなった.分析の結果,本研究の手法が,集落立地や大規模宅地開発の展開を詳細に描き出すのに有効であり,開発時期に基づく地域類型は都市-農村類型と関連しながらも特徴的な分布を示すことが明らかになった.さらに,開発地域と人口分布との関連を検討し,地域類型の利用可能性を考察することで,提案した手法の可能性と限界についても確認した.