富山大学医学会誌
Online ISSN : 2758-819X
Print ISSN : 1883-2067
総説
わが国の小児環境保健に対する取組み
―エコチル調査の開始にあたって―
稲寺 秀邦
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2011 年 21 巻 1 号 p. 23-30

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抄録
 化学物質等,種々の環境要因の子供や次世代に及ぼす健康影響が危惧されている。わが国では,2007年に「小児環境保健疫学調査に関する検討会」が立ち上がり,大規模な新規出生コホート調査の必要性が提言された。これらの検討をふまえ,2010年度から,3年間で10万人の妊婦を登録し,生まれた子どもが13歳に達するまで追跡する「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」がスタートすることになった。エコチル調査は,妊娠中や出生後早い時期の環境要因が,子供たちの成長や発達にどのような影響を及ぼすかについて明らかにすることを目的としている。本総説では,エコチル調査の概要・目的・期待される成果等について概説する。
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© 2010 富山大学医学会
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