本研究では,心理尺度の得点の変化からリワークプログラムの効果を検討した.精神科クリニックの患者を対象にリワークプログラムを実施し,プログラムの前後でBDI-Ⅱ (Beck Depression Inventory Second edition),新版STAI (State-Trait Anxiety Inventory-JYZ),LSAS-J (Llebowitz Social Anxiety Scale),SASS-J (Social Adaptation Self-evaluation Scale)を実施した.これらの心理尺度の変化とプログラム終了後の転帰を統計的に分析した.その結果,すべての尺度においてプログラムの前後で0.1%水準の有意な改善がみられた.リワークプログラムは,休職を繰り返すケースに対しても有効であることが示された.また,復職群に比べ,中断群のプログラム開始時のSTAI状態不安得点が有意に高いことがわかった.プログラム開始時に不安が高い患者への心理的ケアの重要性が示唆された.