抄録
動物看護師にとってイヌの衛生・健康状態を維持するためのグルーミング(GM)技術は、重要な教育内容の1つであるが、動物福祉への配慮も求められる。そこで、ヤマザキ学園大学での3Rsに基づくGM教育の妥当性を評価するため、GM実習に伴うモデル犬のストレス負荷について実態を調査した。本調査では、GM実習のモデル犬(一般家庭犬)のうち21頭を無作為抽出し、調査対象とした。実習の前後にイヌの唾液サンプルを採取し、生理的ストレス指標としてコルチゾール濃度を測定した。その結果、実習に伴う唾液中コルチゾール濃度の有意な上昇は認められず、そのデータ分布から本学のGM実習に伴うモデル犬のストレス負荷は概ね軽度の範囲内にとどまっていることが示唆された。このことから、個体のスクリーニング、視覚教材による代替教育、未熟な作業の繰返しや不安定な姿勢に伴う苦痛の軽減などの3Rsに基づく教育の取組みが妥当である可能性を支持するものと考えられた。