抄録
公的資格を有する専門職を目指すにあたり、動物看護師自身の業務に対する意識は重要である。本研究では、動物看護師の日常業務について、実施状況とそれらに対する意識を調査した。動物病院における日常業務、56項目に対して業務の重視度、実施状況、自己評価を5件法で調査した。得点化した結果の平均値を、実施状況を縦軸に、重視度を横軸にした図に表した結果、上位群、中位群、低位群の3つの大きなグループとその他に分類できた。動物看護師の独自性が発揮できる業務については中程度以下の実施が多数を占め、これらの進展を望むには、十分な教育とさらに獣医師の理解も必要と思われる。また、動物看護師自身の自己研さんとしての卒後教育の場が、専門性を高めるためには重要である。今後、職域の確定を含め、動物看護師が専門職として自信をもって業務を遂行できる環境の構築が求められる。