本研究は、動物看護学における英語コーパス作成の一歩として、猫の福祉・疾患・健康管理における文献コーパスを構築し、猫に関する文献に頻出する英単語や表現の分析を行うことを目的としている。動物看護における最新情報は英語で発表されることが多く、正確な英文理解は必須であるため、英語教育において動物看護に特徴的な語句や表現を含んだ語彙教育が求められる。教育で使用する教材の作成にコーパス技術を応用することで、必要な語彙教育が可能となる。本研究では動物看護英語コーパス作成を前提とし、その一部として含まれる、猫の福祉・疾患・健康管理に関する文献をコーパス化したデータを使用した(総語数233,106語)。ここから猫に関して頻出する特徴的な語彙や連語をワードスミスで抽出・翻訳した後、対数尤度比(G
2)値から、猫の文献において特に頻出するものの一般文書では稀である語彙を調査した。本論文では猫に関する文献での必須語彙を紹介することを例とし、動物看護英語大規模コーパス構築の必要性と利用法を提案する。
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