Veterinary Nursing
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22 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 佐野 忠士
    2017 年 22 巻 2 号 p. 1-5
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
  • 猫の福祉・疾患・健康管理コーパスにおける頻出語彙分析を例にして
    大橋 由紀子, 岡 勝巌, 花田 道子
    2017 年 22 巻 2 号 p. 7-14
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    本研究は、動物看護学における英語コーパス作成の一歩として、猫の福祉・疾患・健康管理における文献コーパスを構築し、猫に関する文献に頻出する英単語や表現の分析を行うことを目的としている。動物看護における最新情報は英語で発表されることが多く、正確な英文理解は必須であるため、英語教育において動物看護に特徴的な語句や表現を含んだ語彙教育が求められる。教育で使用する教材の作成にコーパス技術を応用することで、必要な語彙教育が可能となる。本研究では動物看護英語コーパス作成を前提とし、その一部として含まれる、猫の福祉・疾患・健康管理に関する文献をコーパス化したデータを使用した(総語数233,106語)。ここから猫に関して頻出する特徴的な語彙や連語をワードスミスで抽出・翻訳した後、対数尤度比(G2)値から、猫の文献において特に頻出するものの一般文書では稀である語彙を調査した。本論文では猫に関する文献での必須語彙を紹介することを例とし、動物看護英語大規模コーパス構築の必要性と利用法を提案する。
  • 貞金 望, 稲垣 早穂, 古川 ななみ, 清水 夕貴, 古本 佳代, 糸井 崇将, 神田 鉄平
    2017 年 22 巻 2 号 p. 15-19
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    衛生的手洗い後の手指乾燥における布タオルの繰り返し使用とペーパータオルの使用について比較検討した。実験1では、ペーパータオル1、2あるいは3枚を用いて手指乾燥を行なった後の手指表面生菌数を手洗い前と比較した。実験2では、布タオルを繰り返し使用して手指乾燥を行なった1〜5人目の手指表面生菌数をそれぞれ手洗い前と比較した。ペーパータオル3枚を用いて手指乾燥を行なった場合のみ、手洗い前と比較して手指表面生菌数が有意に減少した。布タオルを用いて手指乾燥を行なった1人目の手指表面生菌数は、手洗い前と比較して有意に減少していたが、2、3および5人目では統計学的に有意な減少を認められなかった。結果より、飼育動物診療施設における衛生的手洗い後の手指乾燥では、ペーパータオルであれば3枚以上を、布タオルであれば1人目としてのみ使用することによって、手指表面の生菌数を有意に減少させられることが明らかとなった。
  • ‐ ヤマザキ学園大学における事例 ‐
    堀井 隆行, 守屋 里紗, 宮田 淳嗣, 福山 貴昭
    2017 年 22 巻 2 号 p. 21-26
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    動物看護師にとってイヌの衛生・健康状態を維持するためのグルーミング(GM)技術は、重要な教育内容の1つであるが、動物福祉への配慮も求められる。そこで、ヤマザキ学園大学での3Rsに基づくGM教育の妥当性を評価するため、GM実習に伴うモデル犬のストレス負荷について実態を調査した。本調査では、GM実習のモデル犬(一般家庭犬)のうち21頭を無作為抽出し、調査対象とした。実習の前後にイヌの唾液サンプルを採取し、生理的ストレス指標としてコルチゾール濃度を測定した。その結果、実習に伴う唾液中コルチゾール濃度の有意な上昇は認められず、そのデータ分布から本学のGM実習に伴うモデル犬のストレス負荷は概ね軽度の範囲内にとどまっていることが示唆された。このことから、個体のスクリーニング、視覚教材による代替教育、未熟な作業の繰返しや不安定な姿勢に伴う苦痛の軽減などの3Rsに基づく教育の取組みが妥当である可能性を支持するものと考えられた。
  • ―業務調査から見る動物看護師の意識―
    山川 伊津子, 若尾 義人, 川添 敏弘
    2017 年 22 巻 2 号 p. 27-34
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    公的資格を有する専門職を目指すにあたり、動物看護師自身の業務に対する意識は重要である。本研究では、動物看護師の日常業務について、実施状況とそれらに対する意識を調査した。動物病院における日常業務、56項目に対して業務の重視度、実施状況、自己評価を5件法で調査した。得点化した結果の平均値を、実施状況を縦軸に、重視度を横軸にした図に表した結果、上位群、中位群、低位群の3つの大きなグループとその他に分類できた。動物看護師の独自性が発揮できる業務については中程度以下の実施が多数を占め、これらの進展を望むには、十分な教育とさらに獣医師の理解も必要と思われる。また、動物看護師自身の自己研さんとしての卒後教育の場が、専門性を高めるためには重要である。今後、職域の確定を含め、動物看護師が専門職として自信をもって業務を遂行できる環境の構築が求められる。
  • 吉川 和幸, 小倉 美咲, 上野 博史, 田村 悠, 嶋本 良則, 北澤 多喜雄, 椿下 早絵
    2017 年 22 巻 2 号 p. 35-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    犬の頸部椎間板ヘルニアに対する診断や手術の方法に関する報告は多数存在するが、リハビリテーション(以下、リハビリ)については少ない。そこで今回、頸部椎間板ヘルニアを発症し、四肢不全麻痺による起立不能を呈した柴犬に実施した術後リハビリについて報告する。酪農学園大学附属動物医療センターにおいて本症例にベントラルスロット術を実施し、術後に脊髄の治癒促進を目的としたレーザー治療・超音波治療および歩行機能の回復に合わせた運動療法を実施した。術後3日目から自力での起立や数歩の歩行が可能になり、術後10日目から車いすによる起立・歩行訓練を開始した。退院後も自宅および通院リハビリを継続し、術後1ヶ月以内にほぼ正常な歩行に回復した。本症例の歩行機能回復までの期間は、今までの報告と比較して短く、機能回復に合わせたリハビリプログラムの実施および症例と飼い主が協力的であったことが、治癒促進に寄与したと考えられた。
  • 清水 夕貴, 阿部 舞央, 岡田 侑利香, 古賀 望美, 西 美咲, 原田 優香理, 樋口 菜津子, 藤原 由起子, 待鳥 明日香, 松並 ...
    2017 年 22 巻 2 号 p. 41-47
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    本事例では、背側椎弓切除術を目的に全身麻酔を施されるラブラドール・レトリーバーに対し、温風式加温装置を用いた体温管理が実施された。術後1日目より右後肢足根部に浮腫を呈し、痛みの兆候が認められた。鎮痛薬の投与によって痛みは軽減したが、手術部位との関連も認められず、その原因は特定されなかった。術後4日目には、腫脹の悪化や発赤、熱感を呈し、冷罨法が実施された。症状および痛みの兆候が消失したのは術後8日目であった。症状と経過より、低温熱傷と診断された。これは、手術時の体位によって生じた末梢循環障害と、必ずしも適切でなかった加温装置の使用方法に起因した過剰な加温が複合的に組み合わさった結果であったと考えられた。周麻酔期に関与する動物看護師は、体温管理に関わる装置を適切に使用することに加え、全身麻酔下にある動物の皮膚の状態を常に確認し、低温熱傷の予防およびその兆候の早期発見に努める必要があると考えられた。
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