抄録
ペットの平均寿命は年々延び、高齢になることで活動量の低下などが認められてくる。今回、サケの頭部から抽出されたプロテオグリカン(PG)の投与効果について、我々は高齢犬を対象に検証した。イヌ7頭(8-15歳)を対象に、PGの投与前後において活動量と歩行時の負重測定を実施した。その結果、活動量については測定のできた4頭中3頭で6.8~45.9%の増加を示した。歩行時の負重測定については5頭中1頭で四肢全て、3頭で三肢、1頭で二肢の負重増加が認められ、その範囲は+0.06~+15.91%であった。四肢全て増加した症例では活動量も増加しており、家で遊ぶ時間が多くなった。また投与したPGは嗜好性がよく、全頭について問題となるような事象はなかった。今回使用したPlusCycle活動量計は、PGなどのサプリメントを投与する際に、動物の状態を確認しやすくなり、動物看護師と飼い主とのコミュニケーションをとるためのツールとしても活用できるのではないだろうか。