抄録
2019年6月「愛玩動物看護師法」が制定され、2023年に最初の国家試験が実施される。多くの学生が動物看護師を目指して養成校に入学するが、その意思は継続しない傾向にある。本研究では、動物看護師養成大学の学部生を対象に動物看護師のイメージと仕事内容、さらに就業希望の有無をアンケートで調査し、動物看護職に関する意識の変化を検討した。1年次生の動物看護職に対するイメージと仕事内容は共に漠然とした肯定的なものだが、3年次では否定的になり、4年次では具体的な記述となる傾向が見られた。また、動物看護職を希望する学生が1年次から3年次にかけて大幅に減るものの、3年次から4年次になる段階で再度増えていくことが分かった。明らかとなった学生の動物看護師に対するイメージや仕事内容、さらに就労希望の傾向を参考に、専門課程において動物看護職の職業的魅力や価値を十分に伝える教育の重要性が示唆された。