2017 年 1 巻 2 号 p. 87-92
軽度失語症者の格助詞「ガ」の構文ネットワーク構造について明らかにするために、軽度失語症者に対して文想起課題を実施した。文想起課題の結果から、軽度失語症者は、プロトタイプである「動作主」の用法は、比較的良好に保たれていることが明らかとなった。
以上の結果をもとに、軽度失語症者の格助詞「ガ」に関する評価法と訓練法について提案した。格助詞「ガ」の評価法は、中心的な用法である「動作主」の用法について調査し、その後、周辺的な用法に移行していく。また、訓練方法は、状況画とイメージ図を用い、評価結果から明らかとした障害された意味用法から周辺的用法に向けて改善を図っていくことを提案した。