2019 年 3 巻 1 号 p. 27-33
誤嚥性肺炎発症の関連因子について、回復期リハビリテーション病棟や介護老人保健施設での検討は報告されているが、介護療養型医療施設では見受けられない。そのため今回の研究では、A病院介護療養型医療施設での誤嚥性肺炎発症の関連因子を明らかにする事で、施設の特性に合った誤嚥性肺炎発症予防の一助とする事を目的とした。
方法は施設入所者を対象に、診療録より後方視的に情報を収集し、誤嚥性肺炎との関連性の検討を行った。その後、他施設との比較により特徴的な因子の抽出を行った。
結果、関連因子として要介護度、呼吸器疾患の既往歴、JCS、摂食嚥下能力グレード、経口摂取の有無、ADL区分の6項目が抽出された。他施設との比較では、呼吸器疾患の既往歴、経口摂取の有無、JCSの3つが抽出された。
今回の調査により、A病院介護療養型医療施設における特徴的な因子は、呼吸器疾患の既往歴、経口摂取の有無、JCSであることが示唆された。