2019 年 3 巻 2 号 p. 39-49
本研究では、K. レヴィンらの「アイオワ実験」から影響を受けつつ、F. A. ハイエクの自生的秩序論などに基づいて開発された4種類の家族システムからなる家族SALADモデルと三隅のPM理論との関連性について実証的に検討を行った。
221名の大学生を対象とした質問紙調査で、家族SALADモデル尺度、家族PM尺度、三角形化指標、片親疎外指標などの項目を検討した。分析の結果、家族満足度高群は、低群と比べて、自生的秩序的家族と民主的家族においては有意に高く、独裁的家族と自由放任的家族、三角形化指標、片親疎外指標においては有意に低かった。また、相関分析から、自生的秩序的家族と民主的家族は正の相関を示し、家族PM尺度とも正の相関が認められ、独裁的家族と自由放任的家族は正の相関を示し、家族PM尺度とは負の相関が認められた。本研究を通して、家族SALADモデルと三隅のPM理論間において高い整合性が認められた。