敬心・研究ジャーナル
Online ISSN : 2434-1223
Print ISSN : 2432-6240
家族システム=SALADモデルに関する家族心理学的研究
―4種類の家族スタイルと家族PM尺度理論との関連性について―
小野寺 哲夫
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2019 年 3 巻 2 号 p. 39-49

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抄録

 本研究では、K. レヴィンらの「アイオワ実験」から影響を受けつつ、F. A. ハイエクの自生的秩序論などに基づいて開発された4種類の家族システムからなる家族SALADモデルと三隅のPM理論との関連性について実証的に検討を行った。

 221名の大学生を対象とした質問紙調査で、家族SALADモデル尺度、家族PM尺度、三角形化指標、片親疎外指標などの項目を検討した。分析の結果、家族満足度高群は、低群と比べて、自生的秩序的家族と民主的家族においては有意に高く、独裁的家族と自由放任的家族、三角形化指標、片親疎外指標においては有意に低かった。また、相関分析から、自生的秩序的家族と民主的家族は正の相関を示し、家族PM尺度とも正の相関が認められ、独裁的家族と自由放任的家族は正の相関を示し、家族PM尺度とは負の相関が認められた。本研究を通して、家族SALADモデルと三隅のPM理論間において高い整合性が認められた。

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© 2019 学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
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