本研究は、韓国における社会福祉士の養成とその実践現場を明らかにすることを目的とする。韓国では2018年の社会福祉事業法改正により社会福祉士養成科目と実習時間の増加が行われるとともに、それまで各職能団体の認定資格であった医療社会福祉士、学校社会福祉士、精神健康社会福祉士が国家資格化されることが決まっている。また、韓国の社会福祉士は110万人以上養成され、約1割が社会福祉施設を中心とした現場実践を行っている。韓国の社会福祉士の特徴としては日本と比して数が多いこと、領域別の資格も社会福祉士が基盤であること、補修教育と呼ばれる現任教育が必修であることが挙げられ、これはそのまま日本への示唆と言える。また一方で、2級資格保持者が多いために質の確保を図ること、総合的な対応力を図ることが課題と考えられる。