2022 年 6 巻 2 号 p. 13-21
本稿では、昨今の8050問題に付随する中高年<ひきこもり>の出現過程を手掛かりに論を進める。次に、若年無業者の実態、若年無業者対策の展開を概観し、その課題を抽出した。そして就労支援の視点からは若年無業者に含まれる<ひきこもり>についてその支援の課題、ならびに当事者、支援者双方による恣意的な運用にも言及し、その支援と課題についても明らかにした。これらの知見から、支援のミスマッチといえる現状から支援観の転換を模索し、その必要性と概念、家政学的な概念という具体的な方法を提示した。
本稿における課題は、この論旨について理論的構築にとどまっており、実証的な知見の提示にまでは及んでいない点である。