この研究ノートは、主に高等教育における「職業教育」と「教養教育」の違いを、「職業教育」の独自性を明確にするという研究目的のもとに、その着眼点や研究の概要に関して整理したものである。
特に、「教育」として、無意識に「教養教育」の目的や内容や方法を高等教育の基本とする考え方に対し、それは「職業教育」の進め方と異なるという立場で、その差を強調する形での問題提起を試みた。
何故なら、高等教育の多くの関係者が「職業教育」の特性を把握しないまま、教育実践を行うため、実践的な職業教育ができないと考えるからである。その結果、「教養教育」を含め「(高等)教育」への期待や信頼が損なわれ、又、多くの学生が職業人としての学びの機会を失っている。
この領域の研究は、多くない。しかし、日本の教育に関する極めて重要な課題であり、引き続く研究の入り口として、とりあえず教育目的や達成課題の段階までの問題意識をまとめた。
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