ビタミン
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7-DehydrocholesterolのCholesterolへの転換反応とBoxidine並びにAY-9944による阻害
志村 二三夫大泉 久美子細谷 憲政
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1975 年 49 巻 3 号 p. 91-97

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抄録
プロD_3である7-DHCの代謝を知る目的で, シロネズミ肝における7-DHCからChlへの転換反応について, 血清Chl低下剤であるBoxidine並びにAY-9944を用いて観察した.1.0.5mg/kg/dayのBoxidine, 5.0mg/kg/dayのAY-9944の経口投与によって, 血清Chl値並びにΔ^<5,7>-sterol-Δ^7-reductase活性が低下した.2.Boxidine並びにAY-9944はin vitroにおいてもシロネズミ肝のΔ^<5,7>-sterol-Δ^7-reductase活性を低下させた.3.Δ^<5,7>-Sterol-Δ^7-reductase活性にはミクロゾーム画分, 細胞質画分(SCP)及びNADPHの存在が必要であるが, Boxidine並びにAY-9944はミクロゾーム画分に作用することによってその活性を低下することが明らかにされた.SCPと7-DHCとの結合には影響を与えなかった.一方, D_3はSCPと7-DHCとの結合を阻害することによってΔ^<5,7>-sterol-Δ^7-reductase活性を低下すると考えられている^<3), 18)>.それゆえ, Boxidine並びにAY-9944のΔ^<5,7>-sterol-Δ^7-reductaseに対する作用はD_3とは異なることが明らかにされた.更に, 水溶液中での7-DHCからD_3への転換反応の研究におけるこれらの薬剤使用の可能性について考察を加えた.
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© 1975 日本ビタミン学会

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