論文ID: 20-00055
宇和島湾周辺海域における有害渦鞭毛藻Karenia mikimotoiの出現特性を明らかにするため,本種赤潮が発生した2018年と非発生だった2019年に現場調査を行い,取得データを解析した。2018年はK. mikimotoiが宇和島湾で高密度化後,周辺海域に分布拡大しており,その動態への河川流入に伴う淡水・栄養塩供給と移流による輸送の影響が示唆された。2019年は遊泳細胞が低密度で越冬していたものの,増殖環境や暖水波及(急潮)の影響,競合種の存在によって,高密度化しなかったと推察された。