抄録
穀類・豆類・疏菜の種子に含まれタカジアスターゼ処理又は酸加水分解によって遊離してくるB_6量をSaccharomyces carlsbergensisを用いた微生物法により比較し, 米糠に次いでミツバ種子に高レベルのB_6誘導体の含まれることを認めた.米糠に種々の加水分解酵素を作用させてβ-グルコシダーゼに高いB_6遊離能のあることから, "PIN-β-グルコシド"の存在を推定した.更にセファデックスG-10ゲル濾過によって分別した画分の酸加水分解, タカジアスターゼ処理, β-グルコシダーゼ処理によって"PIN-β-グルコシド"以外にも低分子のタカジアスターゼ易消化性及び難消化性化合物の存在を認めた.