ビタミン
Online ISSN : 2424-080X
Print ISSN : 0006-386X
ビタミンE同族体生物活性の比較検討 : 脂溶性ビタミン研究委員会,小委員会報告
美濃 真玉井 浩安田 和人山田 智恵子五十嵐 脩林 真粧美平原 文子勝井 五一郎貴島 静正
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 62 巻 5-6 号 p. 241-246

詳細
抄録

天然の4体のα,β,γ,δ-Tocの生物活性をラットの赤血球を用いジアルル酸溶血テストで比較検討した.使用した各同族体は高純度のもので,HPLCによる分析値でα,β,γ,δ-Tocそれぞれ99.7%,99.9%,99.5%,99.7%のものである.出生後3週令の離乳直後(体重50g前後)のウィスター系雄ラットを,8週間E欠乏試料で飼育したのち,体重当たりα-Toc 2m/kg,β-Toc6m/kg,γ-Toc10m/kg,δ-Toc200m/kgをそれぞれ4日間連日投与し,最後の投与24時間後から採血を開始し, 48, 72, 96, 120時間の計5回採血して,血漿E値と赤血球のジアルル酸溶血(DHT)を測定し.前値(-96h:投与96時間前)はDHT溶血率は殆ど100%近くを示した.測定の経時変化より,各同族体によってそれぞれの溶血率が90%以下に抑制されている面積を求め,各同族体の面積比を計算し,この面積比を各同族体体重当たり投与量で除した値でもって活性を比較した.その結果,DHT溶血を抑制するE同族体の活性比,α-Tocは100をとすると,β-Tocは24,γ-Tocは4,δ-Tocは0.1となった.

著者関連情報
© 1988 日本ビタミン学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top