ビタミン
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コエンザイムQ研究の現状 : ビタミン類縁化合物に関する最近の研究
高橋 隆幸岡本 正志紀氏 健雄
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2004 年 78 巻 12 号 p. 587-598

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抄録

coenzymeQ(CoQ)は, 2, 3-dimethoxy-5-methyl-6-multiprenyl-1, 4-benzoquinone構造を持つ一連の化合物群の総称である(図1). CoQ発見の経緯は歴史的に見ると2つある. 1953年に英国リバプール大学のMortonらは, ラットを用いたビタミンA代謝研究の過程で, 272nmに吸収極大を持つ不けん化物質SAの存在を見いだした. その後, 馬小腸粘膜より, この物質の単離に成功している. 一方, 1957年に米国ウィスコンシン大学のCraneらは, ウシ心筋ミトコンドリアの電子伝達能の研究過程で, 脂質画分から275nmに吸収極大を持つ榿黄色結晶を初めて単離した. その翌年には早くもメルク研究所のFolkersらがその化学構造を決定した. その後, Lesterらの指摘で, Mortonらが発見したSAが, Craneらが単離した橙黄色結晶と同一物質であることが判明した.

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© 2004 日本ビタミン学会

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