ビタミン
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日本人女性の母乳中ビオチン,パントテン酸およびナイアシンの含量
渡邊 敏明谷口 歩美福井 徹太田 万理福渡 努米久保 明得西牟田 守柴田 克己
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2004 年 78 巻 8 号 p. 399-407

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抄録

わが国における母乳の水溶性ビタミン含量を明らかにするために,健常授乳婦人から得た母乳のビオチン,パントテン酸およびナイアシンの含量を分析した.母乳の採取は,授乳後21〜89日間および90〜180日間で夏季と冬季に採取した.ビオチンおよびパントテン酸は乳酸菌を利用した微生物定量法で測定し,ナイアシンは,HPLC法で測定した.母乳のビオチン含量は平均3.87μg/mlとこれまでに報告されている値と比較して低値を示した.パントテン酸の含量は平均5.30μg/mlであり,この値は第六次改定で採用された値の約2倍の値であった.一方,ナイアシンの含量は,2.22μg/mlとこれまでの値と比較して,特に差異は観察されなかった.これらの値は,今後これらのビタミンの栄養所要量を策定するための基礎的なデータとして重要である.

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© 2004 日本ビタミン学会

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