ビタミン
Online ISSN : 2424-080X
Print ISSN : 0006-386X
78 巻, 8 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 渡邊 敏明, 谷口 歩美, 福井 徹, 太田 万理, 福渡 努, 米久保 明得, 西牟田 守, 柴田 克己
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 8 号 p. 399-407
    発行日: 2004/08/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    わが国における母乳の水溶性ビタミン含量を明らかにするために,健常授乳婦人から得た母乳のビオチン,パントテン酸およびナイアシンの含量を分析した.母乳の採取は,授乳後21〜89日間および90〜180日間で夏季と冬季に採取した.ビオチンおよびパントテン酸は乳酸菌を利用した微生物定量法で測定し,ナイアシンは,HPLC法で測定した.母乳のビオチン含量は平均3.87μg/mlとこれまでに報告されている値と比較して低値を示した.パントテン酸の含量は平均5.30μg/mlであり,この値は第六次改定で採用された値の約2倍の値であった.一方,ナイアシンの含量は,2.22μg/mlとこれまでの値と比較して,特に差異は観察されなかった.これらの値は,今後これらのビタミンの栄養所要量を策定するための基礎的なデータとして重要である.
  • 福渡 努, 真藤 こず恵, 太田 万理, 佐々木 隆造, 柴田 克己
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 8 号 p. 409-411
    発行日: 2004/08/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    In order to estimate the conversion efficiency of tryptophan-nicotinamide in freshwater fishes, carp and crucian, the liver 3-hydroxyanthranilate 3,4-dioxygenase (3-HAO) and aminocarboxymuconate-semialdehyde decarboxylase (ACMSD) activities were measured. The activity ratios of 3-HAO/ACMSD in carp and crucian were both around 5. These values were extremely low compared with that of rat (650), which can synsthesize a significant amount of nicotinamide from tryptophan. The activities of quinolinate phosphoribosyltransferase in carp and crucian were below the limit of detection. From these results, it was suggested that fishes cannot biosynthesize nicotinamide from tryptophan.
  • 新 真理子, 梅澤 智佐江
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 8 号 p. 413-420
    発行日: 2004/08/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    NAD^+は,生体内でナイアシンから生合成され,酸化還元酵素の補酵素としての働きが,長年にわたって主たる生理作用と考えられてきた.ところが,モノADPリボシル化反応やポリADPリボシル化反応という代表的な翻訳後修飾反応の特異的な基質として,さらに,シグナル伝達のセカンドメッセンジャーとしてのサイクリックADPリボース生成の基質としての働きが明らかにされるに至り,さまざまな代謝や病態との関連性が示唆され,明らかにされてきている.さらに近年,NAD(H)が遺伝子発現の制御に関わるコファクターとして機能しているとの報告が蓄積されてきた.AdhE(alcohol dehydrogenase E; アルコール醗酵を中心とする多機能酵素をコードする遺伝子)ならびにSir2(silent information regulator 2 ; ヒストン脱アセテル化活性をもつ,転写サイレンシング調節因子)タンパク質については既に本誌のトピックスで紹介してきたが,それらも含めて今回はCtBP(C-terminal binding protein; アデノウイルスE1AのC末端領域に結合する発がんの転写抑制因子)を中心に最近の進展について紹介する.
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