ビタミン
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セサミンとの遭遇(ビタミン・バイオファクターの新展開 : 健康と食)
清水 昌
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2005 年 79 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

1. ゴマは, 良質な食用油脂を供給する貴重な油糧作物として古くから世界中で食されてきた. ゴマ種子は, 油糧種子中でも油脂含量が高いこと(約50%), その油脂(ゴマ油)が特有の芳香を有すること, 酸化的劣化に対して高い安定性を示すこと, 旋光性を有すること, オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含むにもかかわらず長期間の保蔵に対して発芽率をはじめとする生理機能を保ちうることなど, 他の多くの油糧種子には認められない特性を持っている. また, ヒトの健康に対する機能性食品として, あるいは医薬品として古くから使用されてきた点でも, ゴマは他の油糧種子とは異なる位置を占めている. 例えば, 古代インド医学のアーユルヴェーダにも, ゴマあるいはゴマ油の効能が記されている. 中薬大辞典には「肝腎を補い, 五臓を潤す. 気力, 活力, 筋力を増す. 消炎, 止痛, 禿頭に髪を生じる. 婦人の乳少を治す. 精液を補い益す. 」と紹介されている. また, 日本薬局方にも用途が記載されている.

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© 2005 日本ビタミン学会

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