ビタミン
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トコフェロールの抗肥満作用 − 熱産生型脂肪細胞をターゲットとした新しいアプローチによる解明− (特集「ビタミン・バイオファクター研究の新潮流」(第72回大会 若手シンポジウム))
田中 理恵子
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 95 巻 7 号 p. 322-326

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抄録
日本人の生活習慣病罹患率には改善の兆しが見られず,新たな治療法の開発が依然として求められている.肥満症治療のターゲットとして近年注目されているのが褐色脂肪組織(BAT)を構成する褐色脂肪細胞及びベージュ脂肪細胞である.これらの細胞はヒトの鎖骨や肩甲骨周囲に分布しており,UCP1を高発現する熱産生型の脂肪細胞である.Peroxisome proliferator-activated receptor γ co-activator-1 α(PGC1- α)はUCP1を含む熱産生関連遺伝子のマスターレギュレーターであり,我々はビタミンE同族体であるαトコフェロールやδトコフェロールがPGC1- αの発現・活性化亢進し, 熱産生型脂肪細胞の分化を誘導することを報告した。本論ではその効果と作用機序について紹介する。
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© 2021 日本ビタミン学会

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