ビタミン
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共役系を長くしたレチナール誘導体を用いた新規チャネルロドプシンの開発
和田 昭盛
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2021 年 95 巻 9 号 p. 395-404

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抄録

チャネルロドプシン(ChR)は、微生物型ロドプシンの一つであり、発色団レチナールと7回膜貫通型タンパク質オプシンよりなる光受容タンパク質である。レチナールのアルデヒド基は、オプシンのリジン残基のアミノ基とプロトン化シッフ塩基を形成している。ChRは、光を受けるとレチナールとタンパク質部分のコンホメーション変化を伴いながらカチオンチャネルとして機能する。オプトジェネティクスは、脳神経にChRを組み込み光で神経活動を制御しようとする新しい技術である。ChR1とChR2は、現在のオプトジェネティクスに用いられているが、励起波長光として緑色光および青色光が使用されている。これらの短波長の光は、脳深部へ到達しないため深部組織の制御ができないという欠点を有しているため、より長波長光で応答する(レッドシフト)新規 ChR の開発が望まれている。
著者らは、レッドシフトした新規 ChR を開発するため、発色団レチナールの共役系を延長したアナログ化合物を合成し、タンパク質オプシンとの相互作用を検討した。

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© 2021 日本ビタミン学会

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