雑草研究
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原著論文
農業の有害生物に関する報道パターンの違い:日本の侵入雑草の報道は病害虫より少ない
丸山 紀子, 古田島 知則, 深野 祐也
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2026 年 71 巻 3 号 p. 97-105

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抄録

侵入生物の早期発見・初期防除には市民の監視が不可欠であり,新聞などの報道が関心を高める。報道量は視覚的に目立つ種に偏ることが従来指摘されてきたが,動物と植物といった分類群の影響を定量化した研究はない。そこで本研究では,農業の有害生物に着目し,日本農業新聞の26年間の記事計2280本を対象に,雑草12種と病害虫10種の報道のパターンを比較した。解析として,①分類群や発生県数,侵入が見込まれる作物の作付面積,作物の平均単価と記事の総数との関係,②各県での初発生の際に記事が掲載された割合(初発掲載率)の算出,③記事の見出しの計量テキスト分析を実施した。解析の結果,作物の面積や単価を考慮しても分類群が報道量の違いを生む有意な要因として検出され,雑草の記事数は病害虫の6分の1と少なかった。初発掲載率は病害虫で81%であったのに対し,雑草は0.52%と有意に低かった。病害虫の記事の25%は公的機関の発信に基づいていたが,雑草はなかった。本研究により,分類群による報道の偏りが存在し,公的機関の発信が影響することが示された。病害虫と同様に雑草も公的機関からの発信を強化することで,早期発見・初期防除が期待される。

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