抄録
1) わが国では, ホテイアオイの栄養繁殖は知られているが, 種子繁殖の実態ははっきりしていない。そこで, 実生個体の形態を観察するとともに, 若干の生育環境についても検討した。
2) 第5葉前後までの葉はへら状の細い葉である。その後展開する葉は先端がやや膨れ, 第8~9葉からは, 一般に栄養繁殖個体でみられるように, 葉柄は膨大して葉身は倒卵形を呈する。
3) 10~15cmの冠水下の土壌面で生育した場合は, 葉柄が膨大しはじめる第8~9葉以後になると, 根が腐って水面に浮いて生育する。
4) 土中に根を下している時はほとんど側根を認めないが, 水面に浮くと側根の発生や伸長が旺盛となる。