雑草研究
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ネナシカヅラの寄主範囲と作物の感受性
ザルーグ モハメッドS伊藤 浩司
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1988 年 33 巻 2 号 p. 129-135

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抄録

1. 主として野外観察から, 北海道小清水地方の海草原群落 (小清水原生花園) においてネナシカヅラの寄主範囲を調べた。その結果17科36属40種の植物に寄生していることがわかった。
2. 上に述べたネナシカヅラと寄主植物との関係をくわしくみると, 2つのグループに分かれる。グループaは真の寄主-寄生関係にあるもの, グループbは単に支持体としての関係で, 単子葉植物の場合にみられた。
3. ネナシカヅラと作物の感受性について, 試験の結果, 作物を3つのグループに区分することができた。ネナシカヅラの開花結実がみられたグループaでは, 作物によってネナシカヅラの生育が異なり, ナス・ジャガイモではよく生育し, ダイズでは生育が弱く, ニホンカボチャでは中間である。これに対しトマトはグループcに入り, ほとんど影響がみられない。

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