雑草研究
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アセト乳酸合成酵素阻害剤のカタバミとノシバ間の選択殺草性
小笠原 勝大塚 知子須藤 裕子
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2005 年 50 巻 2 号 p. 91-95

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抄録

カタバミ (Oxalis corniculata L.) は種子と匍匐茎で繁殖するカタバミ科の多年生草本で, 日当たりの良好な開けた場所を好み, 刈り込みにも良く耐えることから, 芝地の強害雑草となっている。これまでの芝地におけるカタバミ防除は主として MCP (4-chloro-2-methylphenoxyacetic acid) やトリクロピル (3,5,6-trichloro-2-pyridyloxyacetic acid) などの茎葉処理剤によるものであったが, 地上部が枯死した後に葡匐茎から再生する場合もあり, より効果の高い除草剤が求められている。一方, 最近になって, 数多くのアセト乳酸合成酵素阻害剤が芝用除草剤として開発され, ヒメクグ (Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. leiolepis (Franch. et Savat.) T. Koyama)やチドメグサ類 (Hydrocotyle spp.)などの多年生の芝地雑草が容易に防除されるようになった。そこで, 本研究では, 芝地におけるカタバミ防除剤としてのアセト乳酸合成酵素阻害剤 (ALS阻害剤) の有用性を明らかにすることを目的に, わが国の芝地で登録されている10種類のアセト乳酸合成酵素阻害剤を取り上げて, 代表的な芝草のノシバ (Zoysia japonica Steud.) とカタバミとの間の選択殺草性をガラス室内のポット試験で調べた。

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