主催: Webインテリジェンスとインタラクション研究会
会議名: WI2研究会
回次: 21
開催地: 11月2日:オンライン、11月4日~5日:アスティとくしま
開催日: 2025/11/02 - 2025/11/05
p. 132-138
実世界の推薦システムにおいて,行動履歴データはランダムではない欠損(MNAR; Missing Not At Random)を持つことが知られており,特に低人気アイテムへの反応は観測されにくい.この欠損は,推薦を人気アイテムに偏らせて多様性や新規性を低下させる.観測の欠損によるバイアスを緩和する手法として,傾向スコアの逆数重み付けが広く用いられており,一般に傾向スコアはアイテムの観測回数に基づく冪乗則でモデル化される.しかし,本稿では冪乗則に基づく補正が人気アイテムの推薦を過度に抑え,推薦性能を低下させることを発見したため,この問題を解決する新たな傾向スコアを提案する.提案する傾向スコアは,観測回数の対数にシグモイド関数を適用して定義され,アイテムの人気度に応じて柔軟な補正を行う.さらに,本稿では,推薦が人気アイテムに偏りやすい線形オートエンコーダモデルに提案傾向スコアを適用し,正確性と多様性を両立する推薦を実現した.