抄録
近年の学生層の多様化や地方大学の地域協力といった観点から、大学の講義をこれまでのように講義室で実地に行うだけではなく、遠隔学習、自学自習の素材として再利用できる講義の必要性が高まってきている。しかし、このような目的の講義は、現在大学で行われている通常の講義とは非常に異なった形式となり、2つとも準備することは教官への負担が非常に重くなるため、現実的ではない。そこで、広島大学情報メディア教育研究センターでは、現在、通常の講義の延長として広島市キャンパス・東広島市キャンパス間で行われている遠隔講義をデジタルデータとして記録し、再利用の可能性を探ろうとしている。本稿では、遠隔講義システムに増設する形で構築している授業アーカイブシステムの現状報告と、構築時の問題点を報告する。