抄録
本の出版から始まった著作権制度は新しいメディアである映画やテレビコピー機やコンピュータ・システムの誕生に合わせて適用領域を拡大して数世紀を経た今日もなお生き続けているしかし90年代に入ってからのインターネットの急速な進展は長い歴史を持つ制度を根本から揺さぶっているこのような難局に対処するには2つの対立する方法がある1つは現在の制度を前提にその弱点を補い補強すること他の1つは「ゆらぎ」を所与のものとしてそれをも取り込んでしまう柔構造に制度を変えていくことである以下に述べるのは後者の方法論により「創造的破壊」という作業を通じてデジタル時代にふさわしい柔らかな著作権制度を創出しようというv考実験である。