抄録
美術館の所蔵品などをディジタル技術で保存, 展示するディジタルミュージアムが検討されている. この際, 陶磁器などの立体的な物体は, 多方向から撮影した画像群を用いてその形状を忠実に表現する必要があり, 可逆圧縮が必要となる. これまで我々は基礎検討として, 円筒形の物体を一定角度で回転させながら撮影した静止画像群に対する可逆符号化法について検討を行ってきている. 本稿では, 動画像の符号化に用いられている動き補償と, 回転に伴う画素移動量を補償する回転補償を組み合わせた手法による双方向予測について検討を行った. 動き補償のみを用いた場合のエントロピーと比較を行ったところ, 提案方式は良好な結果を示したので報告する.