抄録
任意サイズの半球面スクリーンに対して,広視野で歪みのない等身大スケールの立体映像を表示できるスケーラブル没入型ディスプレイシステムCyberDomeを開発した.プロジェクタの投影位置,体験者の視点位置,半球面スクリーンの径をパラメータにして,ソフトウェアによって歪み補正を実現している.さらに,この技術を拡張して,内径約8.5mの大型の半球面スクリーンに,18台の液晶プロジェクタとマルチPC(現在の最大構成は28台)を用いた「汐留CyberDome」を開発した.前述の歪み補正に加えて,複数プロジェクタの映像境界部分のブレンディング処理,マルチPCによる映像同期処理もソフトウェアで実現している.操作デバイスによるインタラクション機能も有した世界最大規模のバーチャルリアリティシステムである.