Hunt視覚現象に関する基礎的考察

抄録

Hunt視覚現象は、観察しているカラーパッチの周囲環境の明るさが上がったとき、カラーパッチの彩度が上がって見える現象である。この現象は、オリジナル論文において脳の情報処理であると説明がされているが、初期視覚段階で等色関数が全く寄与しないのか、ある程度寄与するのか、どこまでが脳の情報処理なのか等について研究がなされていない。本稿では、既に提案されている色順応モデルMCS(Maximum Color Separation)が視覚の等色関数の働きを近似するモデルであると仮定したとき、この現象に対する等色関数の寄与について考察する。